「お疲れ。美奈ちゃんそんな大荷物だったっけ?」
「ちょっと、芽衣が辛そうだったから。」
頂上に無事着き、さすがに疲れた。
景色を眺めながら、ゆっくり呼吸する。
「芽衣ちゃんの荷物俺が持つよ。貸して。」
「…良いの?…結構重いよ?」
「ははっ。男だから大丈夫。優しいね、美奈ちゃんは。」
そう言うと芽衣のリュックを手にした健くん
一気に背中の重りがなくなって、すっと風が通り、軽くなった。
さっきよりも清々しい気持ちになって、頂上から見る景色がさっきよりも綺麗に映る。
「…お人好しだね。」
「えっ、」
ふいに横から声がかかり、そこには結城くんが同じように景色を眺めていた。
「そんなお人好しだと人生損するかもよ。」
「友達助けただけで…、」
「そうだけど。…女の子なんだから君も。」
"女の子"
その言葉に少しだけ嬉しくなる自分がいた。
このアイドルみたいな人気者にもショートカットの私は女子に見えてるんだって。
…いや、内心はどう思ってるかなんて分からない。
少しだけ嬉しかったことを押しとどめる。
…モテる男子の言動は気にしないようにしよう。
じゃないと、こっちが底なし沼にハマってしまう。


