空気の澄んだ山を登って行く。
緩やかな山だけど、結構距離があるらしい。
「芽衣ちゃんたちはいつからなの?」
「中学からだね。そっちは?」
「俺らは小学校。腐れ縁ってやつ。」
「すごー。」
芽衣と健くんが話してるのを聞きながら、たまに健くんに話を振られる。
意外にも穏やかな空気で歩けている。
結城くんはというと普段は見せないような、静かに辺りを見渡しながら黙って歩いてる。
その姿にやっと人間味を感じるというか、今まで見てきた姿はどれも人当たりの良い笑顔だったから、騒がれない空間に癒されてるのかなと思ってしまう。
「芽衣ちゃんたち可愛いから大変じゃない?」
「私はその辺大丈夫だけど、美奈はねー、」
私の話題になり、芽衣を見ると可愛い顔をしていた。
「美奈を彼女にするなんて私が羨ましい。」
「あ、あれだ。芽衣ちゃんチェックも入る訳だ。」
「そりゃあねぇ。小学生みたいなガキんちょをたくさん見てきたから。」
「男特有のあれかー。好きな子をいじめるやつ。」
「そうそう。その気持ちが本当分かんない。」
「ははっ、まあ一種の独占欲じゃない?なあ?颯斗」
「んー…、よく分からない。」
「あっ、ここだけの話、颯斗初恋まだなの。」
「あらら。それはそれは。」
芽衣と健くんの流れるような会話を左から右へと聞き流し、順調に歩き進める。


