一夜の過ちは一生の過ちだった 【完】

日本で一番多い名字だから、名前は珍しくしたかった。
そんな理由から両親に七彩(ななせ)と名付けられたと話すナナセちゃんは、その名前にぴったりだった。

一学年下で、いつもキラキラした笑顔で、アオイ先輩アオイ先輩と呼ぶ。

本人はそばかすを気にしていたけど、そばかすのかわいい女の子。



高校時代、同じクラスの友達から、「バレー部の練習試合の人数が足りない。一回だけで良いから出て欲しい」と引っ張られて、仕方なく出た。
そこにいたのがマネージャーのナナセちゃんだった。

くりくりした丸い目が茉莉香にほんの少し似てる、元気で明るい女の子。
それが最初の印象。

一回だけという約束だったけれど、その後も友達から強引に試合に引っ張られた。
いつもナナセちゃんは笑顔で迎えてくれて、「マネージャーやってて良かった。アオイ先輩のバレー姿を近くで見れる」と言ってくれた。

そうやって顔を合わせているうちに連絡先を交換して、一緒に帰ったり、苦手だという数学を教えたりするようになった。