「あ、遅かったね。」

戻ってきて早々に聞いてくるとは…

さすが私の親友だな

彼女は四宮一華。私の幼稚園からの親友だ

「あー、うん。色々あってさ」

「あ、ワイシャツに血滲んでる。誰かに吸血されたの?」

「うん、なんか髪の毛が白っぽい金髪っぽい人」

「ふむふむ、なるほどね。…って、ええええええ?!?!?!」

「ちょっ、声でかいよ」

「それって校内でも有名な九音センパイじゃん!!」

「九音センパイ?」

そんな人いたかな…

「そう、九音センパイっていう名前!!!!!超有名人なんだよ!!」

「そ、そうなんだ」

なんか面倒事に巻き込まれる予感…

「で、事情を話してもらおうか?ニコニコ」

全然ニコニコしてないっ!

「実は…_____」

と、さっきまでの事情を話した。

「スーーまじか…」

「うん」

と、最後まで説明し終えると彼女は頭を抱えた。

「目、つけられないといいね」

「え?どゆこと?」

「なんか前聞いた話だと、あのセンパイに目つけられた人間が倒れたとか…」

「なんで倒れたの?貧血?」

人間は一定以上血がなくなると貧血を起こしたり最悪は死に至るそうだ。

「そう。あとストレスだって」

「ストレス?」

よっぽどな事がない限りストレスで倒れるなんて事ないと思うけど…

「うん、ソクバッキーで自由がなかったらしいよ」

「へー、そんなセンパイなんだ」

なんだかヤバそうなセンパイなんだな

「うん、だから乃々花も気をつけなよ」

「うん、気をつけるね!」

「あ、あたしトイレ行ってくる!」

「わかった、走んないでね」

「うい〜っす」

と言って寮を出ていく彼女の背中を見送った。