「はー、疲れるな。学校って」

と小言を言う。てか、教室と寮までの距離遠すぎ…

なんて考え事をしながら歩いていると

ドンッ

とぶつかってしまった。

「あ、大丈夫ですか?」

「…ああ」

「ジー」

あ、この人あんまり体調良くないのかな…

「…なあ、そんなに見ないでくれねぇか?」

「あ、すいません。なんか体調が優れないように見えまして…」

「…最近血吸ってないから、それじゃね?」

なんか聞いたことあるな。吸血鬼は何年かに1回は人間の血を吸わなきゃ生きていけないって。

「そうなんですね…あ、私の血で良ければ吸います?」

「…いいのか?本当に」

「いいですよ、人助けなんで」

「わかった、ちょっと痛いかもだから我慢しろよ」

「はい」

そう言うと彼は私のリボンとワイシャツのボタンを少し外した。

そして首筋に歯を立てる。

カプッ、プツッ

「う”…」

想像以上に痛い。思わず声が漏れてしまった。

ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ

「ちょっ…」

これ以上吸われると意識が飛びそうな気がしたから止めさせた。

「プハッわりい、すげえ美味くて食いついちまったわ」

「あ、大丈夫です」

「お前、名前は?」

とワイシャツのボタンとリボンを結い直しながら聞いてきた。

「宮本乃々花です。」

「乃々花…か。覚えたわ、サンキュ」

「いえいえ〜」

「また会う機会な」

「?はい」

私はこの時はまだ理解していなかった。

この人の言った言葉の意味が…