「……でも、秋山さんは『気持ち悪い』とか『変だ』と言われても、三日月さんに対する想いは変わらなかったんですよね?」
「んえっ…?は、はい…」
『現実の異性に恋愛感情を抱けない』ということに驚きはしたが、誰かを"好き"という感情に他者がその相手に否定をする筋合いはないと思う。
誰がどう言おうと好きなものは好きなのだから仕方がない。
本人が幸せなら私たちは何も口出す必要はないだろう。
「誰かを好きになるってことは、すごく素敵なことであり、尊いものなんですから、三日月さんへ思う気持ちは大事にしておくべきですよ!誰に何と言われようと秋山さんの愛は、きっと彼女に伝わってます。だから、どうか三日月さんへの『好き』を大切にしてください」
「ら、蘭殿……」
私たちは同時に立ち上がり、互いの手を取り合い、握手した。
私と秋山さんの友情が芽生えた瞬間であった───…。



