すずらんに幸あれ!


すでにめるちゃんたちはどちらかの男を狙っていたのか、それぞれ隣を確保して楽しそうに会話を繰り広げている。

彼氏を作ろうと意気込んで来たというのに、いつの間にか私だけ蚊帳の外ではないか。

そして、私と同じように余っている人がいる。

すみっこの方でスマホをいじっているふくよかな体型をした彼、確か名前は秋山さん。

分厚いレンズが入ったメガネでスマホの画面に集中している。


「……あの…」

「………」

「あ、あの…すみません…!」


少し大きい声で話しかけると、秋山さんはやっとこちらに気づいてくれた。


「…っ!?アォッヒョァッ…!!」


グー◯ィーの声真似かな?


「あ…その、何か歌いますか?」

「アッ…オッ……」


言い忘れていたが、現在私たちはカラオケに来ている。

めるちゃんやゆずぴたちは先程まで話していたが、今は女子同士で歌ったり、男子同士で歌ったり、更には男女ペアになって歌ったりと、色々盛り上がっている。