すずらんに幸あれ!


ちなみに、花岡家では、ご飯を作る担当が決まっている。

母が毎日仕事で忙しく、帰ってくるのは19時半過ぎくらいであるため、朝・昼は母が作り、夜は私が作るという、役割分担をしているのだ。

もちろん、料理以外でも家事の分担は決まっている。


「……」


メッセージを送ったけれど、既読がつかない。

気づいていないのか、あるいは未読無視のままなのか。

一応送ったので、見てくれることを祈っておこう。


「蘭〜行くよ〜」


私は「はーい」と返事をし、めるちゃんたちの後を追う。

メッセージに既読がつこうがつかなかろうが、すずくんが今何をしていようが私には関係ないことだ。


「めるちゃん!ゆずぴ!まってよ〜!」


憧れの恋愛ができるかもしれないと思うと、居ても立っても居られなかった………そう、数分前までは────…。