すずらんに幸あれ!


周りを気にせず、校舎へと足を進めるすずくんとは反対に、地獄耳のめるちゃんは、私たちが小鳥遊鈴の彼女ではないかと言われ、可愛らしい顔が顰めっ面へと変わっていたのだ。

今朝の出来事が今後も起きないよう、まずはすずくんにメッセージを送っておこう。

昨夜、母に『しばらく一緒に暮らすんだし、連絡先交換した方がいいんじゃない?』と言われ、仕方なくお互いの連絡先を交換し合うことになった。

しかし、メッセージアプリに友達追加をしただけで、連絡先を交換したはいいものの、昨夜以降、私たちは一度もメッセージのやり取りをしなかった。


《今日、友達と寄り道するので帰りが遅くなります》
《晩ご飯は適当に食べてね!》


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