ちなみに、私の理想の男のタイプは、運動ができて、優しくて、ご飯を美味しそうにいっぱい食べてくれて、笑顔が可愛くて素敵な人。

あと、髪型はセンター分けのツーブロックがいい。

いかにもスポーツをやっているような爽やかな見た目に、表情が豊かだともっと完璧。

したがって、すずくんは私の理想のタイプとは真逆なのだ。

おまけに無口、無表情、無愛想の3コンボが揃っている人なんてむしろ珍しい方なのではないか。


「蘭がこう言ってるわけだから。小鳥遊鈴、蘭のこと絶対好きにならないでよね。蘭はめるのなんだから!」

「め、めるちゃん…♡」


めるちゃんの凛々しい姿に惚れ惚れしていると、すずくんは怪訝な表情で「好きになるわけねえだろ」と答えた。


「恋愛なんか興味ねえ、どうでもいい」

「…へー、そうなんだ。好きな子とか彼女とかほしいって思わないの?」

「思わねえし、いらねえよ」

「せっかくの男前なのにもったいない。私がすずくんなら毎日女の子ナンパしまくってるよ!」


自慢げに言うと、めるちゃんがブハッと吹き出した。