「驚いただろう、ジェイデン? だが、最後はもっとすごいぞ?
この女はな、僕との婚約を破棄するために、令嬢たちを差し向けたんだ」
「……なに?」
勝ち誇ったような表情の兄上に、俺は思わずエルビナを見遣る。
(嘘だろう?)
俺のエルビナが。慈悲深く、心優しいエルビナが、そんなことをする筈がない。
チラリと隣を見れば、エルビナは眉一つ動かさぬまま兄上のことを見つめていた。
ほら、違う。
絶対違う。
俺は首を横に振りつつ、兄上の方に向き直った。
「エルビナは王太子であるこの僕が気に食わなかったらしい。金で人を雇い、僕の気持ちを弄び、挙句の果てにお前との婚約を迫って来た。
その女が何て言ったか知っているか? 『これ以上ローガン様と婚約を続けたくはありません。絶対に嫌です。
けれど、王家としてはわたくしを手放すわけには参りませんでしょう? そんなことをすれば神の怒りを買い、この国は災厄に見舞われますもの。だったら、わたくしとジェイデン様とを結婚させてください』と、そう言って父上と僕を脅迫してきたんだぞ?」
この女はな、僕との婚約を破棄するために、令嬢たちを差し向けたんだ」
「……なに?」
勝ち誇ったような表情の兄上に、俺は思わずエルビナを見遣る。
(嘘だろう?)
俺のエルビナが。慈悲深く、心優しいエルビナが、そんなことをする筈がない。
チラリと隣を見れば、エルビナは眉一つ動かさぬまま兄上のことを見つめていた。
ほら、違う。
絶対違う。
俺は首を横に振りつつ、兄上の方に向き直った。
「エルビナは王太子であるこの僕が気に食わなかったらしい。金で人を雇い、僕の気持ちを弄び、挙句の果てにお前との婚約を迫って来た。
その女が何て言ったか知っているか? 『これ以上ローガン様と婚約を続けたくはありません。絶対に嫌です。
けれど、王家としてはわたくしを手放すわけには参りませんでしょう? そんなことをすれば神の怒りを買い、この国は災厄に見舞われますもの。だったら、わたくしとジェイデン様とを結婚させてください』と、そう言って父上と僕を脅迫してきたんだぞ?」



