「兄上は勘違いをなさっています。本性……数日前にもそんなことを仰っていましたが、エルビナは美しい心を持つ女性です。兄上が仰るようなことは何も――――」
「いいや、ある。証拠だって確保した。今からお前に、この女の本性を一つずつ暴いていってやる」
兄上はそう口にし、険しい表情でこちらを睨みつける。対するエルビナは穏やかな微笑みを浮かべつつ、俺の隣に佇んでいた。
「六年前――――この女が聖女に就任した頃からだ。僕は原因不明の頭痛に悩まされるようになった。治癒をするように指示しても、エルビナは『もうしています』と口にするばかり。ちっとも痛みが治まらない。その内、頭痛だけじゃなく腹痛や眩暈まで現れ始めた。僕の婚約者は聖女なのに――――聖女の筈なのに! 良くなるどころか悪化する一方だ。この女は聖女なんかじゃない! 本当は人々を癒す力などないのだ!」
「兄上……それ、本気で言ってます?」
「いいや、ある。証拠だって確保した。今からお前に、この女の本性を一つずつ暴いていってやる」
兄上はそう口にし、険しい表情でこちらを睨みつける。対するエルビナは穏やかな微笑みを浮かべつつ、俺の隣に佇んでいた。
「六年前――――この女が聖女に就任した頃からだ。僕は原因不明の頭痛に悩まされるようになった。治癒をするように指示しても、エルビナは『もうしています』と口にするばかり。ちっとも痛みが治まらない。その内、頭痛だけじゃなく腹痛や眩暈まで現れ始めた。僕の婚約者は聖女なのに――――聖女の筈なのに! 良くなるどころか悪化する一方だ。この女は聖女なんかじゃない! 本当は人々を癒す力などないのだ!」
「兄上……それ、本気で言ってます?」



