【コミカライズ】それの何がいけませんの?

 彼女は誰よりも妃に相応しい女性だ。常に民のことを想い、己の身を呈して彼等を救う。

 言葉でどれ程『民を想っている』と口にした所で、その想いを示すことは難しい。けれど、エルビナはきっと聖女の力がなかったとしても、民のために尽力しただろう。泥や汗にまみれながら彼等に寄り添い、身銭を切ってでも食わせようとする。これまで俺に宛がわれた他の婚約者候補たちにそんなことが出来るかと問われれば、答えは否だ。



 それだけじゃない。



 妃に相応しいかどうかに関わらず、俺はハッキリとエルビナに惹かれている。

 彼女の美しさに、優しさに、その全てに。



 エルビナが笑うと嬉しくなる。心がポカポカと温かくなる。もっと笑わせてやりたい。たくさん甘やかしてやりたいと思う。

 他の女性なんてとても考えられない。それなのに、兄上はどうして――――?