この街で君を拾う

「ねぇ、相談なんだけど…」

「ん?なぁに??」

急に真面目な顔をする日向君に戸惑ってしまう。

「あの、今日一晩だけでも、日和ちゃんのお家に泊めてくれない?」

「いいよ!狭いし古いけど!!」

「ほんとにいいの?!」

男の人なんて家にあげたこともないけど、日向君なら、なんとなく大丈夫な気がする。

「ほんとに大丈夫!」

「有難う、助かるよ」



駅前でラーメンを食べたあと、私の住むアパートまで市電で移動した。

「晩ご飯の材料買うのに、スーパー寄ってってもいい?」

「もちろん」

2人で近くのスーパーで食料を買いに行く。

まるで新婚夫婦みたい。

な、何考えてんの!

初対面の相手だっていうのに!

とりあえず適当に野菜やお肉をカゴに放り込んでレジへ向かう。

「あら、日和ちゃん、仕事帰り?」

仕事帰りによく寄るスーパーなので、店員さんと顔見知りになっている。