この街で君を拾う

「意地悪じゃありません!」

ようやく朝ごはんを食べ始めた。

寝癖まみれで、寝ぼけた顔をしながらトーストをほうばる日向が目の前にいる。

なんだこの空間、幸せか。

「何見てんのぉ」

「べ、別に!」

やばい、見てたのバレた。

誤魔化すように口いっぱいにトーストを放り込んだ。

食べ終わって皿を台所に持っていこうと立ち上がると、先程取り上げた枕を回収された。

「もぉ、しょうがない奴〜」

よっぽど私の匂い、好きなんかな?

昨日の夜、私と同じシャンプー使ってるんだから、日向の髪だって同じ匂いするでしょうに。

呆れながらも、皿洗いを済ませた。



「じゃあ、仕事行ってくるけど、ちゃんとお留守番しててね」

「わかってるよ。子供じゃないんだから」

「そうじゃなくて、帰ってきたらいないとか、やだから…」

「なに、寂しいって?」

やたら嬉しそうな顔をしてくる。

「そんなんじゃないもん!」