この街で君を拾う

「日和ちゃん」

優しく私の名前を囁いて、私の体を抱きしめた。

「へっ…?」

「俺もね、日和ちゃんのこと、好きなんだ。だから…、」

「じゃあ、一緒にここで、2人で暮らそう」

「分かった。じゃあ、ひとつワガママ言ってもいいかな?」

「なぁに?」

「もう1つ、枕買お?」

「確かに、そうだね」

密着できるこの状況を、少しだけ手離したくないと思った。

「あ、次の日和ちゃんのお休みの日に行こう!だから、もう何日かは半分こしよ!」

私、顔に出てたのかな、バレた。

「あ、有難うございます…」

急に恥ずかしくなったので、もう一度壁に体を向けようとしたが、なかなか離してもらえない。

「ねぇ、もう離してよぉ」

「えぇ、やだよ。俺のこと好きなら、いいでしょ?」

「もう、うるさい!寝かせろぉ〜!」

「はいはい、ごめんごめん」

「もぉ〜!」

やっと解放され、眠りにつくことができそうだ。