この街で君を拾う

「俺は床でいいよ!」

「で、でも、うち予備の布団も無いよ!」

「全然大丈夫だって!」

「日向君さえ嫌じゃなければ、ベッド、一緒に使いませんか?」

「そんな!女の人と寝たことないし!!」

「わ、私だってないよ!!…もう、いいから布団入って!」

私は慌てて壁側の方を陣取って、ベッドに潜り込んだ。

「ほら、早く!電気消しちゃうよ!」

「は、はい!」

電気を消して、2人でベッドに横になった。

枕も1つしかないので、半分こずつ。

少しでも動けば体がぶつかってしまう。

緊張で全く眠れない。

「日和ちゃん、起きてる?」

「ん〜起きてる〜」

日向君も眠れないのか。

背中合わせにしているから、まだ話しやすい。

「少し、話しない?」

「いいょ」

「日和ちゃんって、なんのお仕事してるの?」

「近所のパン屋で働いてるよ。明日は13時出勤だから、朝ゆっくりできるんだ〜」