「きっと莉子さんは、自分の歩む道を見つけていかなければいけないんだと思うんです。それが今世での生き方、歩む道。それを見つけなければ……」
「……」
止まった言葉に、ごくりと息を飲んだ。
「きっと乗り越えなければ、何度も同じことが繰り返される。それがドラゴンヘッドとドラゴンテイルの物語にあるような、輪廻の輪なのかもしれません」
「輪廻の輪……」
ガタンガタン。
列車の連結部分からは大きな音を響かせ、その音が私たち二人をまた無口にさせた。
私はいったいどうしたら、その輪廻の輪を抜け出すことができるのだろうか。
今も心の深いとこにある傷を思い出すのが怖くて、過去を見つめることが出来なく て。
窓の外を流れる暗い雲を見つめ、忘れたいと思っていた過去をそっと思い返していた。