ズキズキと痛む頭を抑えながら体を起こすと、見覚えのある場所で寝ていたことに気づく。だけど、その場所はここ最近来ていなかった場所。



「…難波さん…。」



の家だ。間違いない。だけどなんでここに?


頭を抱え、必死に昨夜のことを思い出す。…けど何も思い出せない。


とりあえず寝室から出てリビングに行ってみる。



「…いるわけないよね。」



シーンと静まり返っているリビングに難波さんの姿がなければ気配もない。


ただ、難波さんの匂いだけが広がっていて、それが余計虚しくさせた。


難波さんいつ戻って来るんだっけ?……明日?明後日?…うわぁ、知らないや。確か昨日舞子がチラッと口にしてたはずなんだけど。


っはぁ。こんなの彼女失格だよね。


仕事が忙しかったから。なんて理由、いくらなんでも通用しない。


…会いたいよ……難波さん。


側にあったクッションを抱き寄せた時、チャイムが鳴り響き肩が上がる。


っ、もしかして難波さん!?


急いでモニターを確認するとそこには…



『浬ぃ〜?居ないのぉ??おーい。』



と画面越しに手を振ったり、顔をドアップさせる見知らぬ女性が。