なんて不安は一瞬にして飛んでった。


すぐに頭の中が真っ白になり、次第に力が抜けていくと、難波さんに凭れかかる。



「もうギブ?」



なんて聞いてくる難波さんはやけに意地悪な気がする。



「続きは部屋に行ってからね。」



と手を引かれ、久しぶりの難波さん宅。玄関入ってすぐに鼻を掠めたその匂いに胸が弾んだ。


エレベーター内であんなこと言われたから、そのまま寝室に直行かと思ったけど、どうやらそうではないらしい。


難波さんはリビングに向かい、そのままパソコンを広げた。


…あれ?……キスの続きは…?……別にいいけどさっ。



「ごめんね。少しだけ仕事させて?」


「はい。お気になさらず。」



相変わらず難波さんは仕事人間だなぁ。きっとこの休み中も仕事してたに違いない。



「仕事納めはどうだった?」



ふと聞かれた質問に正直に答える。