クリスマスなのに、柾樹さんは部活のために午前中だけ学校へ行く。



その間に、私は小さなケーキを作った。



「やっぱり、梨香のケーキは最高だな。」



なんて言って、柾樹さんは美味しそうに食べる。



今まで当たり前だったことなのに、昼下がりこうして柾樹さんと過ごせることに幸せを感じた。



最近、身も心も落ち着かない日々が続いていたからこそ、気づいた。



この幸せに、気づけて良かった。



「今朝方、夢見たぞ。

僕と梨香が、赤ん坊あやしてたんだ。」



うわぁー!



「偶然だね、私も先生と一緒に赤ちゃん抱っこする夢見たんだよ。」



「偶然じゃ…なかったりして?」



「え?」



「昨日の…で、できてたりして。」



「まさか、そう簡単にできたら苦労しないよ。」



「…だな。」



でも、いつか…。



私たちの子供、抱っこしたいね。










the end