半ば強要されたその役割には今だ納得出来ないまま。取り敢えずは命ぜられたまま『聚楽──Juraku──』の側で出来ることを無難にこなしていた。

 おかげで様で、アウェイ感半端ない。

 嫌がらせか? と思いたくなるほど奇異の目に晒され、どうにもいたたまれなくなる。憂鬱な気分のままここにはいたくないと、広げていたつまみ細工の道具一式を一つ一つ箱に仕舞い席を離れる準備を始めた。

 そこへ影差す手元。視線は下を向いているけれどその視界は広く、意識せずとも周囲の動きは分かる。絶えず行き交う人の影が、この集中力を三割ほど掠めていった。

 何気なく顔を上げたその先を、大きな荷物を抱えた女性スタッフが数名横切って行く。流れるよう通り過ぎるその列の間隔がふと途切れたかと思うと、その中の誰かが何かに躓いたところだった。気づけばそれは自分の足元に置いていた自身のバッグで、申し訳ないと思い「すみません」と声をかけようとした瞬間、その人にバッグを蹴り飛ばされる。逆に言われた「すみません」の言葉に唖然としたまま、「こちらこそ⋯⋯」と戸惑いながら答えるのが精一杯だった。