「あのっ。八重樫さんと倖さんってお知り合いなんですか?」
片桐さんが緊張気味に声を掛けた。
「うん。俺がまだ営業にいた頃一緒に働いてた。ね?」
こちらを向かれて、八重樫さんと目があう。
「その節はとてつもなくお世話になったんです」
「倖ちゃんは俺の営業アシスタントだったの。で、俺は前にアシスタントの仕事を半年くらいしたことがあったからさ、倖ちゃんに結構いろいろと教えたんだよねー」
「はい。ほんと、今の私があるのは八重樫さんのおかげと言っても過言ではないですよ」
「ふふっ。あの頃の倖ちゃん、めちゃくちゃ大変そうだったよね」
「そうなの!八重樫さんのサポートに着いたから、ファンの皆さんにめちゃめちゃ裏で言われてましたよ。仕事ができない新人のくせに八重樫さんの後ばかりついて歩くって。だから必死になって仕事覚えました」
「そうだったの?
俺はさ、倖ちゃんが頑張ってたのを知ってたから、負けないように頑張んなきゃって思って仕事したよ。おかげで営業成績伸びてた」
「私は八重樫さんの足を引っ張らないようにするだけでしたよ」
懐かしい話に、懐かしい香り。
入社当時の出来事を久しぶりに思い出していた。
「あの頃は若かったなあ」
「今もじゅうぶん若いでしょ?」
「全然わからないことだらけで不安だったけど、わからないからこその強みがありました」
「?」
「今は新しいことに飛び込む勇気とかあんまりないなって思って」
そういうと、榊さんが、
「あー。ちょっとわかるかも」
と言った。
片桐さんが緊張気味に声を掛けた。
「うん。俺がまだ営業にいた頃一緒に働いてた。ね?」
こちらを向かれて、八重樫さんと目があう。
「その節はとてつもなくお世話になったんです」
「倖ちゃんは俺の営業アシスタントだったの。で、俺は前にアシスタントの仕事を半年くらいしたことがあったからさ、倖ちゃんに結構いろいろと教えたんだよねー」
「はい。ほんと、今の私があるのは八重樫さんのおかげと言っても過言ではないですよ」
「ふふっ。あの頃の倖ちゃん、めちゃくちゃ大変そうだったよね」
「そうなの!八重樫さんのサポートに着いたから、ファンの皆さんにめちゃめちゃ裏で言われてましたよ。仕事ができない新人のくせに八重樫さんの後ばかりついて歩くって。だから必死になって仕事覚えました」
「そうだったの?
俺はさ、倖ちゃんが頑張ってたのを知ってたから、負けないように頑張んなきゃって思って仕事したよ。おかげで営業成績伸びてた」
「私は八重樫さんの足を引っ張らないようにするだけでしたよ」
懐かしい話に、懐かしい香り。
入社当時の出来事を久しぶりに思い出していた。
「あの頃は若かったなあ」
「今もじゅうぶん若いでしょ?」
「全然わからないことだらけで不安だったけど、わからないからこその強みがありました」
「?」
「今は新しいことに飛び込む勇気とかあんまりないなって思って」
そういうと、榊さんが、
「あー。ちょっとわかるかも」
と言った。



