「この袋の中で息をしようか。
ゆっくりだよ。
吸って...はいて...吸って...はいて」
雅の声に合わせて呼吸をすると、
だんだん過呼吸が治ってきた。
「ありがとう、雅。
また助けてもらっちゃったね」
「姫様のSOSなら、いつだって駆けつけて
助けるよ。
それより、過呼吸になっちゃうこと
よくあるの?」
「雅達と離れてからたまにね。
いつもは、すぐ治るんだけど...」
「やっぱり近いうち、病院で診てもらおうよ」
「えっ!嫌だ!
雅は大袈裟なんだよ!私大丈夫だから!」
「でも、僕が心配なんだ。
僕のためを思って、お医者さんに
診てもらってくれないかな?」
「雅はずるい!」
「何がずるいの?」
雅はイタズラが成功した子供のような顔を
している。
「大切な人にそんなこといわれたら
診てもらうしかないじゃん!」
「じゃあ、診てもらえるように手配するね」
私がむすくれていると、
「なんでそんなにお医者さん、嫌なの?」
「注射とか怖いし...」
私は小声でボソッと言った。
すると雅は驚いた顔を一瞬して
笑い始めた。

