『うん、そのつもり。今度会った時に言おうと思ってる』
『報告楽しみにしてるね』

 そっか、そうなんだ。茉莉もいろいろあったんだね。

 そう思いながら空になった缶を片付けて時計を見ると、もう日付が替わろうとしていた。

 寝る身支度をして照明を消し、ベッドに横たわると酔いがまわったのか今にも寝そうだった。

 ブッブッブッ……

 暗がりでスマホの着信ランプの光に目を細めながら見ると、茉莉からのメッセージだった。

『わかった』

 たったひとこと、その文字を確認したところで意識が遠ざかり、夢の中へ旅立ってしまった。

 それから同窓会の日まで仕事に追われ、しばらく茉莉と連絡を取ることはなかった。

 同窓会前日の夜、『用を済ませてから行くので、先に店に入っていてね』と茉莉から電話が入った。

 五年ぶりにまた会う同級生。
はじめましてじゃなくても、やっぱり一人で行くのは緊張してしまう。

 受付には、元学級委員長が立っていた。

 また仕切ってくれてありがたいと思いつつ、いつまでたっても委員長なんだなぁと思うと吹き出してしまった。おかげで緊張もほぐれたようだ。