本格的に寒くなってきた季節。
 彼からLINEが来た。

『ちょっとお聞きしたいのですが、柚希ちゃん、ピンクの可愛いジャンパー着ていましたよね? ボタンが花になってて、フリフリしたデザインの。あれってどこで買いました? 今日、去年着ていた斗和のジャンパーが小さいことに気がついて、駅前にある子供服のお店をまわってみたのですが、もう、あんまりサイズと種類がなくて』

『多分、もう売れちゃったのでしょうかね? 柚希が今着ているジャンパーは、ネットで買いました。一応サイトのURL貼っておきますね! そこ、女の子向けの服が売っているんですけど、手袋も靴も可愛いのが揃っています! しかもお値段もお手頃で、オススメです!』

『今サイト覗いてみましたが、可愛い服と手袋も見つけたので、一緒に注文しようと思います。ちなみに柚希ちゃんが着ていたジャンパーも見つけましたが、お揃いで買っても良いですか?』

 お揃いで買うとか、自由で良いのに。そんな細かいところまで気にして訊いてくれる。

『お揃い、もちろん良いですよ! 子供たち喜びそうですね!』

『じゃあ、注文します。こんな時間にありがとうございました。では、おやすみなさい』

 それから一週間ぐらい経った時、「斗和ちゃんね、私と同じジャンパー着ていたの!」って、柚希が教えてくれた。嬉しそうだった。

 ――私が教えたサイトで、柚希とお揃いのジャンパー。本当に買ってくれたんだ。

 些細なことだけど、彼がしてくれたから、それは特別なことだった。