更にそれから何日かたつと、私たちは高校に入学して初めての試験期間に突入した。


さすがにそれなりの進学校、試験期間中は彼女がやってくることはなかった。

高瀬くんのみならず、クラス全体がそれに解放感のような安堵を覚えたのは言うまでもない。



「輝、お疲れー!お昼食べよ?」


ところがそれもほんの束の間。


試験が終わった瞬間からそれは再開され、最早、私たちには心休まる時間が一時もなかった。


「おまえ、いい加減にしろよ!」

「橋本、うるさーい」

「おい!」

「あはは、うけるー」


試験期間で活動停止になっていた部活動は今日から再開。

高瀬くんのもとへやってきた橋本くんが彼女を叱責するも、品のない笑い声を上げながらそれすらも許さない。


その光景に、梅雨のジメジメとした鬱陶しさも相まって見ているこっちまで辟易する。