「あの時は邪魔されちゃったけど、今度は逃がさねーよ」
浅倉くんの合図で、倉庫にいた男たちが素早く私を取り囲む。
伸びてきた何本もの腕が、私の自由を奪っていく。
逃れようともがいても、複数人の前ではすぐに押さえ込まれてしまう。
零れた悲鳴も、音にはならない。
浅倉くんの指先が、無遠慮に肌を撫でて鳥肌が立った。
肌を這い回る掌が体の中心に向かってくる。
「…っ、」
薄布越しに触れられたあまりの不快感に、気が遠くなる。
(やだ、やめて…)
気持ち悪い。
苦しい。
助けて。
(助けて、高瀬くん…)
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