再来週、球技大会がある。

みんな高校に入学して初めての学校行事を楽しみにしているみたいだった。


(球技大会かぁ…)


高瀬くんたちの会話を聞き流しながらなにに出ようかな、と考える。

やっぱりバスケかバレーかな、ま、どうせあい子と同じのにするんだけど。

あとで聞きに行こう。


そこまで考えて思考を停止した私は、隣の窓際の子が席を外しているのをいいことに、ぼんやりと窓の外を眺める。


相変わらず今日もいい天気で。

窓枠に切り取られた四角い青空に、薄らと白い雲が流れる。

夏を感じさせ始めた気候は、今日もじんわりと汗ばむくらいだ。



「いや、それがすげぇんだよ!」


隣では競技は決まったのか否か、早々に球技大会の話題を切り上げてなにやら熱弁している鈴木くんの声が聞こえる。

興味がないので私の耳には右から左だけど。