ゴールデンウィークも明け数日―――。
毎日代わり映えしない学校生活は、そろそろそれに慣れてきた私をだらけさせていた。
「小峰さんはなにするか決めた?球技大会」
「……え?」
苦手な英語の授業が終わってぼーっとしていた私は、横から耳に入ってきた声に遅れて反応した。
「まだ、決めてない、けど…」
5月に入って行われた席替えで高瀬くんと席が離れてほっとしたのに、それも束の間。
私の隣の席の鈴木くんとは友達みたいで、彼のもとにやってきてはとりとめのない話をして、1人でいる私を会話に巻き込もうとすることが度々あった。
同時にあい子とも席が離れてしまった私は、この状況には若干の不安を抱えていた。
まぁ、高瀬くんは男女ともに誰とでも気さくに接する人だから、当たり障りなくやり過ごすことにしていた。
「鈴木はなにすんの?」
「俺はバスケだな」
「元バスケ部だもんな。俺、なににすっかなー」
今日のホームルームで球技大会の出場種目を決めると説明があったためか、周りでは同じような話ばかりだ。