「あつーい、私もアイス食べたい!今日、花菜と行こっかな…あ、今度さ、隣町にあるかき氷屋さんみんなで行こうよ。氷がふわふわで超美味しいよ」

「うん、行きたい」

「めっちゃ、びっくりするくらい美味しいから!超感動だよ」

「そんなに?」


かき氷のふわふわ具合を伝えようと、ジェスチャーを使って一生懸命説明してくれる結衣ちゃん。


検索した画像を見せてもらうと、いろんな種類のカラフルなかき氷が並んでいた。

フルーツだけじゃなくて抹茶味やチョコレート味なんかもあるみたいで、見た目もかわいくて美味しそう。


「……さくらさぁ、…」


結衣ちゃんのスマホでいろんな画像を眺めていると、先ほどよりもトーンを落とした彼女の声が私の鼓膜を叩いた。


なにか言いたげな雰囲気に顔を上げるけど、彼女と視線が合わさることはなかった。

嫌な予感がして心臓がどくどくと主張を始める。


「ううん、なんでもない」


彼女は一瞬、言葉の続きを紡ぐのをためらうような素振りを見せたあと、私に笑顔を向けた。