あぁ、やっぱり。
悪い予感は当たるものだ―――。
(…す、き…?)
そう、告げ終わると、また1歩私に向かって踏み出した高瀬くんに、咄嗟に私も1歩後退した。
が、椅子から腰を上げた状態のまま立っていた私は、すぐ後ろにある椅子にガタリ、とぶつかる。
それが更にその後ろの机にぶつかり、ガタガタと音を立てる。
「!」
足に当たった感触とその音に驚いた私は、同時にバランスを崩して椅子とともに床へと倒れ込む。
「小峰さん!?大丈夫…?」
驚いた高瀬くんが、駆け寄り私を覗き込む。
びくり、と私は身体を強張らせる。
次の瞬間。私は立ち上がりバッグを掴むと一目散に教室を飛び出した。
そのまま走る、走る―――。
どうやって家に帰ったのかは覚えていない。
考える前に体が動いていた。