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「まゆかは?どうする?」

 ポケットからコームを取り出した心音。首を傾げると、綺麗に巻かれた彼女の髪がゆらりと揺れた。

「あー…、うん。やめとく」
「だよねぇ」
「うん。ごめん」

 美空は肩をすくめると、ポーチの中身をあさり出した。
 美空とひかるには彼氏がいる。最近になって彼氏同士も仲良くなったそうだ。
 これから二組で遊ぶ予定だったらしいけど、「わたしも仲間に入れて」と、今日は心音もそこに加わるんだとか。さっきから前髪を調整中だ。

「仕方ないか。まゆかは人見知りだから」

 わたしの頭をよしよしと撫でるひかる。

「でもさ。もしもわたしに彼氏ができたら、まゆか、どうする?」

 心音が心配そうに顔を覗き込んできた。

「どう…って、」

 心音に彼氏ができたとしても、羨ましいとか、寂しいとか。そういう感情は、とくに生まれないと思う。
 わたしたちは、常にベッタリくっついていなくちゃダメって、そんな関係でもない。
 たとえ遊びの誘いが三回から一回に減ったとしても、それはそれで仕方がないことだ。

「わたしたち、なにか、変わったりするの?」
「変わるってゆうか…。うーん…。うまく言えないんだけど、」