ガンッいきなり屋上のドアから勢いよくドアを叩く音が響く。
僕は一瞬で血の気が引いていくのを感じた。

「皆!ドアから離れて!!」

僕はとっさに声を張り上げて叫んだ。
皆は僕の声を聞いて、一斉にドアから離れる。
屋上のドアの向こうから「…ヴヴヴッ」と獣の唸り声が聞こえる。
僕等は恐怖にどうする事も出来ずにドアから離れて、ただじっとドアの向こうに居る、生き物へと向けていた。
ドガッとより一層大きな音が響いた時、屋上のドアは勢いよく吹き飛ばされた。

「ヴヴヴッ…ウヴッ…」

吹き飛ばされたドアの向こうから、ゆっくりと僕等の方へと歩み寄る。
その姿は、獣なのかも疑われる程、恐ろしい姿だった。
その獣は僕等をギロッと鋭い目で睨み付けるように見ていた。