誰に何を言われても、僕は千賀子を助けに行くと心の中ですでに決めていた。
優介はそっと僕の両肩から手を離した。

「…なら勝手にしろよ…その代わり俺も行く!」

優介は力強く僕に言った。優介のその一言で、僕の心は力強かった。

「なら、僕も行くよ。雄司君」

「…俺も行くぞ!雄司」

黙って今まで話を聞いていた冬斗と海斗が二人同時に僕に言った。

「皆…有り難う…」

僕は優介、冬斗、海斗の言葉が凄く力強くて、凄く嬉しい気持ちになった。

「お前のためじゃない……千賀子ちゃんのためだ。な?」

優介が小さく笑いながら、冬斗と海斗に少し問うように言った。

「…もちろん」

冬斗と海斗がまた同時に息ピッタリに答えて頷いた。
「…そうだね……」

僕も冬斗と海斗と同じように大きく頷いた。
そんな時僕の右肩を誰かが軽く叩いた。
僕は叩かれた方へと振り返る。

「…雄司…力になれなくてごめん…でも愛理がまだ心配なんだ…」

僕の耳元で申し訳なさそうに言うのは蓮二だった。
蓮二は本当に人思いないい仲間だなと思った。

「気にしないで…僕らがいない間…蓮二達も気を付けてね…」