30点でも愛されてます!

「あ…ごめん。」

遼は私の視線に気付いたのか、私の手を取り、指輪を薬指にさしてくれた。



「わぁ、綺麗だね。それにピッタリだよ。」

遼はどうして私の指のサイズがわかったのかな?すごいな。



「良く似合ってるよ。」

自分で言うのもなんだけど、家事とかレジ打ちやってるわりには、手は綺麗なんだよね。
私の指で、ダイヤがキラキラ輝いてる。



「雅美…どうしたの!?」

「え?」

私はいつの間にか涙を流していた。
涙だなんて私らしくない。
それに、一体どうしたんだろう?



遼がサッとハンカチを取りだして、私に手渡してくれた。



「あ、ありがとね。」



遼とはもうおしまいなんだって思ったから?
そりゃあ、寂しいし辛いよね。
20年近く寄り添ってた人と会えなくなるんだもん。
そう思ったら、また涙が込み上げてきた。
だめだ!泣いたら、遼におかしいって思われる。



私は全神経を集中して、どうにか涙を堪えた。



「遼、何かお酒を飲もうよ。プロポーズの記念に。」

「でも、僕、車が……あ、誰かに取りに来てもらえば良いか。
じゃあ、この近くでバーを探そう。」

私はお酒はあんまり飲めないけれど、この時ばかりは飲みたかったんだ。
一時だけでも良いから、その辛さから逃げ出したかったから。