30点でも愛されてます！

（わぁ……）



思ったよりも美味しそうなパンケーキだった。
すっごく良い香りがしてふわふわだ。
食べようとしたら、遼がナイフとフォークを取り上げた。
そして、慣れた手つきでパンケーキを切ると…



「お嬢様、あ～ん。」

「え？い、いいよ。自分で食べられるから。」

「執事の仕事でございます。」

遼がそう言うから、仕方なく口を開けた。
遼が切り分けたパンケーキを口の中に入れてくれた。



「きゃ～～～！」



扉の隙間からのぞいてた女子達が一斉に叫ぶから、私はパンケーキが喉に詰まりそうになってしまった。
今のは、非難の叫びだよね。
遼が私に食べさせたのが嫌だったんだよね。
そのくらいのこと、私にもわかるよ。
さっきのイケメンさんが、扉をピシャリと閉めた。



「お嬢様、お味はいかがですか？」

「え？あ、あ、お、美味しいです。」

「それは良かった。
パティシエも喜びます。」

「は、はぁ。」

本当はびっくりして味なんてわからなかったよ。



「お嬢様、あ～ん。」

遼が、二口目を切ってくれた。
今度は静かに食べられた。
確かに美味しい。
家で食べるパンケーキとは違う。
すごく高級な味がするよ。
厚みだけでも、うちの３倍くらいあるもん。
高いから頼んでないのに、アイスティーも運ばれて来て、ペロリと食べ終えてしまった。