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「な、なんなのよ!」

「まさか、君がまだそんな事を思ってるとは…」

「だ、だって……」

遼は息を整え、一条さんに向かってゆっくりと話した。



「いいかい?
それは、君のおじい様が、勝手に言い出したことだ。
何も本気で言われたことじゃない。
うちじゃ、誰もそんな事、真に受けてないよ。」

「で、でも、お母様も良く言ってるわ。
遼君と結婚したら良いのにって。」

「それは、君のお母様が僕の事を気に入って下さってるからだよ。
それはありがたいけど、僕は君に対して恋愛感情は抱いてないから。」

「ひ……酷いわっ!」

一条さんは駆け出し、数人の女子がその後を着いて行った。



「……ごめんね、雅美。
気にしないで、彼女はいつもあんな感じなんだ。
あ、執事カフェはこっちだよ。」

「う、うん。」

なんだか複雑な想いだったけど、ここで私が帰るなんて言ったら、ますます気まずいかな?と思って、そのまま遼についていった。
気付くの遅いけど、遼は、黒いちょっと変わったスーツを着ていて、白い手袋をしていた。
もしかして、これは執事の格好なのかな?



「ここだよ。」



連れて行かれた教室の前には、女子が溢れていた。
遼が行くと、まるでアイドルでも見たような黄色い歓声が乱れ飛んだ。
え、もしかして、遼って人気あるの?
確かに遼はかっこいいけど、そんなに!?