あの後、
ギルベルトと手を繋いでドアを開けると
父とマリアが心配そうな顔で駆け寄ってきた。
最初は二人に対して警戒心が強かったギルベルトも、
大人しくて無口なのは変わらないが
頭や目を隠すことはなくなり返事も返すようになった。

ギルベルトは特に私に懐いてくれて
どこに行くにも後ろを追いかけて来た。
そんなギルベルトが可愛くて私も
どこに行くにもギルベルトを連れて行った。

大人に警戒するギルベルトのために
差別意識がなく歳の近いオッドが
専属執事に抜擢されてからは
時々、笑顔も見せるようになり
呼び方もギルベルトからギルに変わっていった。


そんな毎日を過ごしているうちに
学園に通う日が近づいて来た。

私が転生した"ライトロード国"では
7歳〜13歳まで学園で義務教育を受け
14歳〜20歳まで専門学院に通う。
義務教育では貴族からの寄付金と国からの補助により
学費も備品もお金はかからない。
その分14歳から専門学院に通う学費は
高額で下位貴族にも払えないほど。
ただし、特待生制度があり
様々な理由で将来生を示せれば学園が免除となる。
専門学院では、商業・美術・工業など
日本の高校と大学が一緒になった様な
専門学校がありその他に魔法学が存在する。
ゲームの舞台である"ライトロード魔法学院"は
学力と魔法力の高い生徒が国中から集まる
最大難易度の高い学園で
主に王子や公爵など魔力を持つ高位貴族が通うのだ。

7歳から通う"学園"は、数多く存在し住む場所と家の位で異なる。
私は公爵令嬢として国最大位の"ライトロード学園"に通う。
ゲームの世界の舞台である魔法学院の姉妹校だ。
ちなみに"専門学院"は日本の高校や大学と同じで
様々なテストを受験し合格した者だけが通うことができる。

"学園"は敷地内にある複数の建物にクラスが別れ
学年や成績順で分別される。
授業の時間割は日本の小学校に似ていて
1科目45分の授業の合間に休憩や昼食時間が入る。
義務教育ではあるが、成績の維持ができれば
家に家庭教師を呼んで通学を免除することも可能だ。
飛び級制度のようなものはないが
高位になればなるほど
学業は早く始めた方が良いとされ、
私も5歳から淑女教育と家庭教師を付けている。
ギルも私の入学と共に後継者教育と
家庭教師を付ける予定だ。