朝都は走ってガレージから出ていってしまった。
夏鈴は自分の唇に手を当てていた。
今のはキス?
バイクの音がして朝都が戻ってきたのがわかった。
朝都の掛けてくれていた服を頭から被った。
は、恥ずかしい……
「夏鈴、どうした?怖い?寒い?」
「……両方」
こもった声で答えた。
さっきよりも軽く抱きしめてくれているのがわかった。
背中をポンポンとしてくれ落ち着かせてくれた。
何分たっただろうか
「もう大丈夫」
夏鈴は顔を服からだした。
「ほんとにか?」
朝都は掛けていた服に袖を通すようにうながしてくれた。
服を着ると目の下の涙の後を優しく手でぬぐってくれた。
東条くん……優しい
「ねえ、どうして……その……したの?」
「んー、愛しかったから?」
「どうして疑問形?」
「夏鈴に迷惑がかかっちまう……中学の時と同じだ」
東条くんは私と少し距離を取った。
「俺が好きになると相手に迷惑をかけちまう、今日だって結局そうだ」
「私は別に迷惑とは思ってないよ」
「だけど、さっきも怖かったろ?明日は悟とも話しないとな、夏鈴は関係ないって」
関係ない……それも少し寂しい
「あの、あのね、白木くんは東条くんの事が好きなんだと思う……」
「は?」
「東条くんの事ね、俺の朝都って……」



