2ヶ月ほど前の事だった。
「あれ?隣のクラスの山中さんだっけ」
「え?」
振り向くと会長が立っていた。
会長が私に話しかけてる?
嘘でしょ?
いち子からは女嫌いで有名だって聞いている。
場所は母の経営する保育園の園庭だった。
会長は首に入園許可証の紐をぶら下げていた。
お迎えにくる人は園児の名前が書かれた
入園許可証がいる。
私は札を見た。
「あっ、希実(のぞみ)ちゃんですね」
そう言われると東条希実ちゃん
同じ名字だ。
「俺、初めてお迎えに来たんだけど、ひまわり組ってどこ?」
「あっ、そうなんですね、案内します」
靴を脱いで2階のひまわり組へと案内した。
「ドアを開けて先生にお名前を言ってください
帰りにここの廊下の荷物を忘れないようにお願いします」
「んー、わかった、サンキュ」
私は頭を下げて階段を降りていった。
びっくりした〜
会長に話しかけられるなんて……
高校に入って間もない頃、生徒会役員選挙で1年ながら会長に就任した東条くん
高校からの外部入学の私はよく知らなくて
いち子から中学でも会長をしてたから、
みんな知ってる人が多いからねと……
その時に会長の存在を知った。
全然別の世界の人だなぁという印象しかなかった。
「おーい、山中さん!」
声がする方を見ると会長がこっちに歩いてくる。
「あ、あの、この時間はお迎えの車が入ってくるので園庭では手を繋いでください」
少し大きな声で注意した。
「あー、悪ぃ…希実〜」
靴を履いていた希実ちゃんは会長と手を繋いだ。



