秘密♡の火曜日


目を開けて周りを見る余裕もなく、バイクが止まるとようやく目が開けれた。

初めての風を切る感覚

凄かった…

辺りはもう真っ暗になっていた。

涼しくて気持ちがいい

東条くんはヘルメットを取ってくれた。

ボサボサになった髪の毛を直してくれる

優しい……

さっきまでの一色さんに対する表情とは
違っていた。

学校での東条くんは気が張ってるんだ

今の顔が素

背の高い東条くんを上目遣いに見ると恥ずかしそうに目を反らせた。

2人は防波堤に座った。

「風が気持ちいいね」

「そうだな」

暫く無言で海を眺める。

言葉はなくても嫌な空気にはならない

夏鈴は隣で海を眺めている東条くんの横顔をチラッと見た。

……かっこいい……んだよね

いや、顔で選ぶのは夏鈴も過去の事を思い出して嫌なんだけど、顔だけじゃない真の強さがある


「クシュン!」

「大丈夫か?寒いか?」

「ううん、大丈夫よ」

東条くんが少し寄ってきて制服のブレザーをかけてくれた。

「ありがとう」

ブレザーの上から肩を抱いてくれている。

「触れるの嫌じゃないの?」

「夏鈴は大丈夫、嫌なのは自分の気持ちを押し付けて寄ってくるやつ」

「さっきみたいに急に掴まれたりって事?」

「ああ、体が勝手に拒否る」

「何、それ(笑)」

「族をやってるとさ、楽しい反面気が抜けねぇ」

そっか……

「守るものがあるんだね」

「ああ」