下校時間がせまっていた。
「じゃあさ」
「うん」
「俺がこの教室に来たら夏鈴に連絡する」
「ちょっと、いきなり名前呼び?」
「だってさ、希実が夏鈴ちゃんって毎日うるせーんだよ」
「へ〜私の名前はうるさいのね、確かに鈴がついてるし、うるさいかもね」
「そういう意味じゃねーよ、希実の前で山中さんとか言えなくてよ」
しまったというような表情をする。
「で、夏鈴がノックしたら鍵を開けるから」
「……(笑)わかった」
慌てて言い訳する会長を可愛いと思ってしまった。
「もう、何だよ調子狂うな……恥ず」
会長はポケットからスマホをだした。
「ん」
QRコードが出された。
「これは生徒会のスマホ?」
「何だ聞いたのか……これは違うぞ」
「ふーん」
私は無意識に少し笑っていた。
一色さん、ごめんね
「いいのかな、会長のプライベートスマホ」
「それを決めるのは俺だ」
全くあいつら……
と、ぶつぶつと呟く声が聞こえた。
という訳で会長との秘密の火曜日が始まったのだった。
会長はほんとに不器用で細かい所はつい力が入ってしまうみたいで、開く時は破れたりするのだ。
でも火曜日に折った折り紙を持って帰って希実ちゃんに渡すと凄く喜んでくれるらしい。
「ムズいな」
「じゃあ、別のにする?」
本をパラパラとめくってみる。
「会長の出来そうなものは……」
「なぁ、会長って呼び方、ここではやめねぇ?」
「どうして?」
会長は破れた折り紙をクシャっと丸めた。
「何か会長の権限で無理やりやらせてるような感じがするんだよな」
「でも会長の権限でこの教室使ってるんでしょ?」
「そうだけど、1年の時からだからなぁ」



