「誰、あの人」
「見て、見て、あの子」
直接、その子たちの声はこちらに届かないが、そんなことを言ってるようだ。
また、同じ中学校の子だろうか…
「誰?あの人」
「あんな子いたっけ」
「すごいイケメン」
周りがざわざわしている。
こちらの男子にはいない垢抜けた感じの爽やかで、アイドルみたいな…
優くんは、慣れているのか全く動じない。
表情を変えないで、そのまま話を続ける。
逆に、優くんを除く私たち3人は、その視線を痛いほど感じる。
「場所移す?」
優くんが言う。
本来なら、私たち3人の誰かが言うセリフなのに、またまた優くんが気を利かせる。
やっぱり、それなりに優くんも感じてるのね。視線は…
そういう視線は…向こうでもあるのだろう。
って、逆に…桃香ちゃんって凄いと思った。
ふたりデートの時も自分の彼氏がこんな周りからの視線を感じながらデートするなんて…
だから、優くんも桃香ちゃんに嫌な思いをさせないように気を利かせる術を身につけたのだろう。
彰くんが…
「木曽川の堤防行こうよ。緑地公園」
「あ、いいね。あそこなら…」
菜々が言う。
4人は席を立ち、1階のミスドで少しドーナツを買って、イオンから離れる。
菜々と彰くんは自転車で来てたので、自転車で…ゆっくり…ふらふらと乗りながら、歩く私たちの前を行く。
10分もかからないうちに緑地公園に着く。
木曽川の堤防沿いにある歩道、そしてちょっとしたアスレチック的なものが公園だ。
歩道には、散歩をしている人。ジョギングをしている人。
ベンチに座っている人。
のんびりした時間が流れている。
私たちの周りには、遊具で遊ぶ幼稚園児らしき子供たち。そして、それを見守る親たち。
「な…」
「なんか…」
「な…」
「なん…」
4人が同時に言葉を発する。
「えっ、何?」
「何、何?」
「えっ」
「は?」
また4人が…同時に戸惑う。
「彰くん。どうしたの?」
「菜々こそ」
「晴良、どうした?」
「優くんこそ」
お互いがお互いに遠慮する。
「ははっ」
「何、これ?」
「ははっ」
「ま、落ち着こう。落ち着こう」
優くんがみんなをなだめる。
「じゃあ、彰くん。彰くんから言おうか」
優くんが言う。
「えっ、俺?いいよぉ、菜々言ってよ」
彰くんは照れて、菜々に振る。
「ええっ、私?私はいいよ。晴良言ってよ」
彰くんにつられて、菜々も照れる。
「私?えっ、私?」
私もみんなにつられて照れる。
「じゃあ、俺がみんなを代表して言うよ」
優くんがさらっと言う。
「どうぞ、どうぞ」
みんなが優くんに注目する。
「えっと…」
「な、なんか、な、なんだっけ?」
「はぁぁぁ」
みんながずっこける。
そして、みんなが大笑い。
「全然、ダメやん」
彰くんが優くんに突っ込む。
「ははっ」
優くんが照れくさそうに笑う。
そして、優くんは…
遊具で遊ぶ園児たちを見て…
「晴良、ああいうの懐かしいね」
「うん」
私が答えると…菜々と彰くんも…
「そ、そう。それ」
「そう。それそれ」
「菜々、懐かしいよね。あんな感じで遊ぶって」
彰くんも滑り台で遊ぶ園児を見て言う。
「滑り台ね」
菜々も苦笑いしながらもうなずく。
お互い“幼なじみ”としての懐かしさを感じた瞬間だった。
「見て、見て、あの子」
直接、その子たちの声はこちらに届かないが、そんなことを言ってるようだ。
また、同じ中学校の子だろうか…
「誰?あの人」
「あんな子いたっけ」
「すごいイケメン」
周りがざわざわしている。
こちらの男子にはいない垢抜けた感じの爽やかで、アイドルみたいな…
優くんは、慣れているのか全く動じない。
表情を変えないで、そのまま話を続ける。
逆に、優くんを除く私たち3人は、その視線を痛いほど感じる。
「場所移す?」
優くんが言う。
本来なら、私たち3人の誰かが言うセリフなのに、またまた優くんが気を利かせる。
やっぱり、それなりに優くんも感じてるのね。視線は…
そういう視線は…向こうでもあるのだろう。
って、逆に…桃香ちゃんって凄いと思った。
ふたりデートの時も自分の彼氏がこんな周りからの視線を感じながらデートするなんて…
だから、優くんも桃香ちゃんに嫌な思いをさせないように気を利かせる術を身につけたのだろう。
彰くんが…
「木曽川の堤防行こうよ。緑地公園」
「あ、いいね。あそこなら…」
菜々が言う。
4人は席を立ち、1階のミスドで少しドーナツを買って、イオンから離れる。
菜々と彰くんは自転車で来てたので、自転車で…ゆっくり…ふらふらと乗りながら、歩く私たちの前を行く。
10分もかからないうちに緑地公園に着く。
木曽川の堤防沿いにある歩道、そしてちょっとしたアスレチック的なものが公園だ。
歩道には、散歩をしている人。ジョギングをしている人。
ベンチに座っている人。
のんびりした時間が流れている。
私たちの周りには、遊具で遊ぶ幼稚園児らしき子供たち。そして、それを見守る親たち。
「な…」
「なんか…」
「な…」
「なん…」
4人が同時に言葉を発する。
「えっ、何?」
「何、何?」
「えっ」
「は?」
また4人が…同時に戸惑う。
「彰くん。どうしたの?」
「菜々こそ」
「晴良、どうした?」
「優くんこそ」
お互いがお互いに遠慮する。
「ははっ」
「何、これ?」
「ははっ」
「ま、落ち着こう。落ち着こう」
優くんがみんなをなだめる。
「じゃあ、彰くん。彰くんから言おうか」
優くんが言う。
「えっ、俺?いいよぉ、菜々言ってよ」
彰くんは照れて、菜々に振る。
「ええっ、私?私はいいよ。晴良言ってよ」
彰くんにつられて、菜々も照れる。
「私?えっ、私?」
私もみんなにつられて照れる。
「じゃあ、俺がみんなを代表して言うよ」
優くんがさらっと言う。
「どうぞ、どうぞ」
みんなが優くんに注目する。
「えっと…」
「な、なんか、な、なんだっけ?」
「はぁぁぁ」
みんながずっこける。
そして、みんなが大笑い。
「全然、ダメやん」
彰くんが優くんに突っ込む。
「ははっ」
優くんが照れくさそうに笑う。
そして、優くんは…
遊具で遊ぶ園児たちを見て…
「晴良、ああいうの懐かしいね」
「うん」
私が答えると…菜々と彰くんも…
「そ、そう。それ」
「そう。それそれ」
「菜々、懐かしいよね。あんな感じで遊ぶって」
彰くんも滑り台で遊ぶ園児を見て言う。
「滑り台ね」
菜々も苦笑いしながらもうなずく。
お互い“幼なじみ”としての懐かしさを感じた瞬間だった。
