「あっ」
「どうした?」
「う、ううん。何でも無い」
パジャマから着替えた時に、せっかく優くんが来てるから可愛い服を着ようと思ったけど、優くんに覗かれて適当な服を着たことを思い出した。
まさか、優くんとお出かけするとも思わなかったし、さらにこれから菜々や彰くんとも会うんだった。
こんな普段着的な格好で…
「いいんじゃない」
「は?何が」
「遠くもなく近くもないところに買い物に来たと思えば」
うっ、こいつ、気づいとるやん。
私のちょっとした雰囲気で気付くって…
観察力凄すぎるでしょ。
そりゃ、学校の周りの女子が勘違いするのもわかる。
“私のこと、もしかして気がある?”
って…思っちゃうわ。
「いや、別に」
なんかムカつくから、そう言いきる。
「ここのどこで待ってるの?晴良の友達」
私たちはイオンの敷地内に入る。
やはり、あっという間に着いた。
途中、ここの曲がったところの揚げパンが美味しいだの、百草園駅の近くのデカ盛りの唐揚げ弁当の話だの、このお寿司屋さんのネギトロが凄いだの…
「結局、俺ら、お腹空いてるってことだよね」
「ははっ、確かに、食べ物の話ばかりだよね」
と、久しぶりの久しぶりなのに、この違和感なしの会話って思う。
もう少し緊張すると思った。
でも、全然しない。
と、私が思うと…優くんは
「晴良とこうやってふたりで歩くの保育園以来だから、緊張すると思ったけど全然しないんだけど」
と言ってくれた。
「確かにね。えーと、6年、7年ぶり?」
「そうだね。7年ぶりだね」
私たちはイオンの建物に入り、フードコートに向かい、菜々たちを探す。
そして、隅のテーブルに彰くんといる菜々を見つける。
「お待たせ」
「う、うん」
菜々は私を見るより、すぐに優くんを見る。
「あ、この子が菜々、で、彰くん」
私は優くんにふたりを紹介する。
「で、この人が優くん」
今度は菜々と彰くんに優くんを紹介する。
ふたりは無言でお辞儀をする。
「ふたりって?」
優くんは真面目な顔をして私に質問する。
「付き合ってるよ。このふたり」
「そうなんだ」
すると、優くんは続けざまに…
「はじめまして。晴良の彼氏です」
いつもの爽やかな口調で言う。
「はぁぁぁ」
私が変な声をあげる。
呆気にとられる菜々と彰くん。
菜々は優くんには桃香ちゃんという彼女がいる事情を知ってるからいいけど、彰くんは…
って、そうじゃない。
何を言い出すんだ。
こいつ。
「ち、違うからねっ」
私は彰くんとそして菜々にも念を押す。
「いいじゃん。ふたりはカップルなんでしょ。じゃあ、こっちもカップルの感じで」
「いや、良くないし」
「そう?」
初対面のふたりを前に…よく…まぁ…そんなことを言えるの。この人は…
「あ、ごめんね。軽く流してくれればいいから」
優くんが笑顔でいう。
「はぁ?それ私のセリフだし」
ずっと、呆気に取られ、黙ったままの菜々と彰くん。
さすがに彰くんは露骨に引いている。
でも、菜々は引いてはいない。
あれ?
引かないの?
なんだ、この人?
って…
普通、ならない?
すると、菜々がやっと口を開く。
「面白い人だね」
「いやいや、全然、面白くないし」
4人はそのままイオンのフードコートで話を続ける。
共通の知り合いの立場である私が、何とか話題を提供しなければならない。
たまたま、彰くんも優くんも部活がソフトテニスなので良かった。
彰くんも同学年ではテニスが上手と聞いたことがあるが、優くんはさらに上級生を含めても上手であることを桃香ちゃんから聞いている。
だから、1年であっても団体戦のメンバーに選ばれたと…
彰くんは…
「凄いなぁ」
と感心しているが、やはり面白くないだろう。
でも、優くんは
「彰くんは、後衛?前衛?」
「後衛だけど」
「俺、前衛。じゃあ、一緒に組んだらいいところいけるんじゃないかなぁ。今、後衛は先輩と組んでるからさぁ」
と、決して相手を不愉快にしない。
「いいね。今度、やろうよ」
彰くんも笑顔になる。
そんな4人のテーブルを通り過ぎる私服の中・高生らしき女子は、必ずというほど、こちらを見る。
その視線は…優くんだ。
「どうした?」
「う、ううん。何でも無い」
パジャマから着替えた時に、せっかく優くんが来てるから可愛い服を着ようと思ったけど、優くんに覗かれて適当な服を着たことを思い出した。
まさか、優くんとお出かけするとも思わなかったし、さらにこれから菜々や彰くんとも会うんだった。
こんな普段着的な格好で…
「いいんじゃない」
「は?何が」
「遠くもなく近くもないところに買い物に来たと思えば」
うっ、こいつ、気づいとるやん。
私のちょっとした雰囲気で気付くって…
観察力凄すぎるでしょ。
そりゃ、学校の周りの女子が勘違いするのもわかる。
“私のこと、もしかして気がある?”
って…思っちゃうわ。
「いや、別に」
なんかムカつくから、そう言いきる。
「ここのどこで待ってるの?晴良の友達」
私たちはイオンの敷地内に入る。
やはり、あっという間に着いた。
途中、ここの曲がったところの揚げパンが美味しいだの、百草園駅の近くのデカ盛りの唐揚げ弁当の話だの、このお寿司屋さんのネギトロが凄いだの…
「結局、俺ら、お腹空いてるってことだよね」
「ははっ、確かに、食べ物の話ばかりだよね」
と、久しぶりの久しぶりなのに、この違和感なしの会話って思う。
もう少し緊張すると思った。
でも、全然しない。
と、私が思うと…優くんは
「晴良とこうやってふたりで歩くの保育園以来だから、緊張すると思ったけど全然しないんだけど」
と言ってくれた。
「確かにね。えーと、6年、7年ぶり?」
「そうだね。7年ぶりだね」
私たちはイオンの建物に入り、フードコートに向かい、菜々たちを探す。
そして、隅のテーブルに彰くんといる菜々を見つける。
「お待たせ」
「う、うん」
菜々は私を見るより、すぐに優くんを見る。
「あ、この子が菜々、で、彰くん」
私は優くんにふたりを紹介する。
「で、この人が優くん」
今度は菜々と彰くんに優くんを紹介する。
ふたりは無言でお辞儀をする。
「ふたりって?」
優くんは真面目な顔をして私に質問する。
「付き合ってるよ。このふたり」
「そうなんだ」
すると、優くんは続けざまに…
「はじめまして。晴良の彼氏です」
いつもの爽やかな口調で言う。
「はぁぁぁ」
私が変な声をあげる。
呆気にとられる菜々と彰くん。
菜々は優くんには桃香ちゃんという彼女がいる事情を知ってるからいいけど、彰くんは…
って、そうじゃない。
何を言い出すんだ。
こいつ。
「ち、違うからねっ」
私は彰くんとそして菜々にも念を押す。
「いいじゃん。ふたりはカップルなんでしょ。じゃあ、こっちもカップルの感じで」
「いや、良くないし」
「そう?」
初対面のふたりを前に…よく…まぁ…そんなことを言えるの。この人は…
「あ、ごめんね。軽く流してくれればいいから」
優くんが笑顔でいう。
「はぁ?それ私のセリフだし」
ずっと、呆気に取られ、黙ったままの菜々と彰くん。
さすがに彰くんは露骨に引いている。
でも、菜々は引いてはいない。
あれ?
引かないの?
なんだ、この人?
って…
普通、ならない?
すると、菜々がやっと口を開く。
「面白い人だね」
「いやいや、全然、面白くないし」
4人はそのままイオンのフードコートで話を続ける。
共通の知り合いの立場である私が、何とか話題を提供しなければならない。
たまたま、彰くんも優くんも部活がソフトテニスなので良かった。
彰くんも同学年ではテニスが上手と聞いたことがあるが、優くんはさらに上級生を含めても上手であることを桃香ちゃんから聞いている。
だから、1年であっても団体戦のメンバーに選ばれたと…
彰くんは…
「凄いなぁ」
と感心しているが、やはり面白くないだろう。
でも、優くんは
「彰くんは、後衛?前衛?」
「後衛だけど」
「俺、前衛。じゃあ、一緒に組んだらいいところいけるんじゃないかなぁ。今、後衛は先輩と組んでるからさぁ」
と、決して相手を不愉快にしない。
「いいね。今度、やろうよ」
彰くんも笑顔になる。
そんな4人のテーブルを通り過ぎる私服の中・高生らしき女子は、必ずというほど、こちらを見る。
その視線は…優くんだ。
