「お、これはなんのカードだ、あかり」

 二人がもう占いそっちのけで話しはじめたので、青葉はひとり、見よう見まねでタロットをやってみていたようだ。

 回る歯車のカードを青葉は手にしていた。

「それは、運命の輪です。
 今までと違う局面に向かい、運命が動き出す」

 いい意味もあり、悪い意味もある。

 どっちでも、とりようかな、とあかりは思う。

 運命にもてあそばれるって意味もあるけど、と思ったとき、元が青葉に言った。

「そうだ。
 秋の運動会、入園前の子たちも出るんですよ。

 父兄も競技に参加したりして、結構盛り上がりますよ。
 ご主人も来られますか?」

 一緒に走りましょうっ、と爽やかに誘われている。