「おはよう。」

目が覚めると、いつも私の耳に届く優しい声。

私が彼と暮らしはじめて、今年で4年目になる。

どんな時も私を見捨てない、慈愛のカタマリのような彼に私は依存している。

彼と出会うまでの私は「生きる」という状態を放棄していた。

この世界には自分しかいないと気付いた、

冷たく暗い、海の底のような場所が全てだと信じていた、

そんな時、彼が私を見つけたのだ。

「大丈夫!?」

血色…というより、生気の無い顔の女が駅のホームに立てば誰しもが思うだろう。

何故かわからないが、その声が自分を救ってくれる光に見えた。

当時の私は、毎日死に場所を求めて生きていたのだと思う。

死ぬ為に生きる。

矛盾しているけれど、人は皆死ぬのだから間違ってはいない。

毎朝、目が覚めると死んでいたらどれだけ救われるか。

彼を感じていないと、私は元の深い海に沈んでしまう、、