入学式の次の日、私は地獄をみた。
私が入学した高校はなんと不良高だったのだ!
入学を決意した頃の私を殴りたい。
なんでここを選んだ!?と。
幼馴染みたちから逃れて平穏な暮らしをしたかったがために高校はどうでもいいやと、適当に決めてしまったのだ。
ああ、なんてことだ。危険すぎる。
そう、危険すぎるのだ。いろんな意味で。
皮肉なことながら、幼馴染みたちがいて良かった。
友達、できる、、、かな?
そんな事を不安に思っていると、雪が話しかけてきた。

「そういえば姫様、どうして俺たちに黙って高校を決めたのです?」

そんな、爆弾が投下された。

まさか、貴方達がいると悪目立ちするからなんて言える訳がない。
そう、言える訳がないのだ。悪目立ちする理由が君達の顔面偏差値が高いからだなんて。
一応、幼馴染みたちは俳優兼モデルの昇以外は顔出しNGなので経歴は分からない。
ロキの交渉はお偉いさん相手がほとんどなので高校生には分かるまい。
どうしようかと頭を悩ませているとロキがこんなことを言い出した。

「昇が俳優だから、目立っていやだったんじゃない?」

「まじかよ!そんなんで俺たちとばっちり受けたのか。」

「昇、どうしてくれんの?」

「俳優やモデルをやんのは勝手だけどさ、俺たちと姫様に迷惑かけないでくれないか?」

「はぁ?何それ、ひどくないかな?俺が俳優兼モデルやってんのは、姫様が昔カッコいいって言ってたからだから。何、それとも姫様を侮辱する気?」

「そんな訳ないだろ。お前のせいだから責任とれよって言ってんだよ。」

話がヒートアップしてきてしまった。
やばい、弁解しなければっ!

「いやいや、昇だけのせいじゃないよ!!」

「えっ、ということは、僕たち全員のせいってことですか?」

ああ、やってしまった。
私が黙りこくっていると、冬騎が聞いてきた。

「どういうことです姫様。どうか理由を聞かせてください。私達が嫌いになったのですか?そうなのですか?」

「ちがうっ!」

「じゃあ、どうして、、、。」

引きに引けない状況になってしまった。
えいっ!こうなったら、言うしかないっ!

「それは、君達の、が、が、」

「が?」

「顔面偏差値が高すぎるからだよっ!!」

『はっ?』

驚く五人の声が聞こえてきた。
ああ、本当にどれだけ私はやらかすのだろうか。
(  ̄- ̄)
思わず遠い目をしてしまった。




そのおかげか、私は不良高に入学した不安など、すっかり吹き飛んでしまっていた。

               姫乃視点 終