私は思い切って彼の顔に視線を戻す。 そう、この顔。 上がり気味の涼やかな眉。 切れ長の大きな漆黒の眼。 高く通った上品な鼻筋。 口角がやや上がった形の良い口唇。 額にかかるさらさらの黒髪。 夢にまで見たこの姿。 私の、愛しいひと。 響谷 蓮。