「アイリ〜起きろ〜」

ん?何やら頭上で声が聞こえる…まだアラーム鳴ってないよ?と思いつつ重たい瞼を頑張って開くと

「なっ!えっ!?ツバサ?!!?!?」

「何?寝ぼけてんの?おはよう」

あまりにもビックリし過ぎて瞼はガン開き慌てて起き上がる。

「えっ?はっ!?なんで居るの?」

「何でって…俺昨日泊まりに来たやん」

泊りに来た?何言ってんの?と寝起きなのか余計に頭が回らなくてこの状況が理解出来ない。

「いつ?えっ、なんで?どうして!?」

「なんでって今日は昼からやからこっちで寝ようと思って夜中来たんやけど」

本当にツバサが居るのかと手を伸ばしたら掴まれてツバサの腕の中に抱き締められた。

「本当にツバサなの?」

と顔を凝視する。

「なんか付いてるん?俺の顔。」

「やっぱりカッコイイ…」

ポツリと言うと

「そんなん朝から言うたらあかんわ。襲うぞ?」

ってイケメンボイスで囁かれ体がビクッと反応する。

「仕事の準備せんでええの?」

時計を見て名残惜しいベッドから降り、キッチンに向かったり洗面所に向かったり。もうちょっとツバサの体温感じたかった…

「ツバサは一緒に家出るの?それともここで待ってるの?」

ベッドの上で漫画を読みながらゴロゴロしており、メイクしながら聞くと

「もうちょっと寝てから帰るわ」

布団に潜り込んだツバサを見てあまりの可愛さに叫びたくなる気持ちを抑え、

「ご飯は配達かカップラーメンなら作って食べれる?それだとあそこの引き出しに入ってるから。飲み物とかは適当に冷蔵庫の中のやつ飲んどいて。」

ある程度ここに居ても困らないように口頭で伝え、

「じゃあ行ってくるね」

玄関に向かうと

「待って!忘れもん!」

ガバッと布団から起き上がり、玄関までやって来て

「行ってらっしゃい!」

チュッてキスをされ、ギュッと抱き締められ

「あ、もうやばい…」

完全ノックアウトというか大好きな人にこんな事されたら

「大丈夫?腰抜かしたん?」

立っていられるわけでもなく、見事に腰を抜かした…ってあれ!?